1974~75年の大飢饉のあとの貧しい人々の窮状を目の当たりにし、当時、チッタゴン大学経済学部で教鞭を振るっていた、ムハマド(ムハンマド)・ユヌス氏は理論を机上で訓えるよりも、現地現場で貧しい人たちの実情知ることが大切だと考え、現地で調べ始めたのでした。
実地研究は、1976~1979年の間にジョブラ村(チッタゴン大学に隣接した村)と近隣の村のいくつかで行われました。
この研究の結果、
「貧しい男性と女性も金融機関を利用できるようにしたい」
「高利貸しによる貧しい者からの搾取を除きたい」
「失業中の人々のために、自立の機会を与えたい」
このような想いを抱いて、プロジェクトはスタートしたのでした。
国の中央銀行と国営化された商業銀行の支援で、プロジェクトは1979年にタンガイル地区(ダッカ北方)まで広げられ、タンガイルにおける成功で、プロジェクトは国の他の地域まで広げられました。
その後、1983年10月にグラミン銀行プロジェクトは、政府のによって独立銀行・グラミン銀行に生まれ変わりました。グラミン銀行の誕生です。
2009年現在、 グラミン銀行には、2,556の支店があり、スタッフは、23,445人で、84,388の村で活動しています。お金を借りている人の総数は787万人で、97%は女性です。また、ローン回収率は、97.86%にのぼります。今日、グラミン銀行は、銀行からお金を借りている人々は同社の株の90%を所有し、残りの10%を政府が所有しています。
グラミン銀行はグラミングループとしてマイクロクレジットからソーシャル・ビジネスへと次なるステージへ大きく飛躍を遂げています。
弊社では、このグラミン銀行の活動を実際に見て、実際に生活している人たちの話を直接聞くことが出来ます。そこから何か新しいことを学ぶことも出来ることでしょう。また、現在グラミングループが取り組んでいる様々な活動を見学することも可能です。ご希望があれば、ご相談に乗りますので、お気軽にご連絡下さい。
(参考) Grameen Bank ホームページ http://www.grameen-info.org/
ブラックは、バングラデシュ独立直後の1972年に設立され、バングラデシュ農村向上委員会(Bangladesh Rural Advancement Committee)の略ですが、現在は略称であるブラック(BRAC)が多くの人たちに知られています。現在はほとんどが自己財源でまかなっており、その経営センスは際立っています。1998年からは、本部事務所を建て直し、銀行・インターネット・不動産など関連企業を設立しNGO活動の新しいあり方を示しています。
ブラックは首都ダッカを拠点にして、都市部のスラムに住む貧困層、繊維工場を操業する中間層に向けて積極的な無担保融資を展開しています。「貧困層に必要なのは援助ではなく、投資である」というポリシーのもと、無担保融資だけでなく、様々な活動を通じて、新しいNGOのあり方を模索しています。「BRACの活動はハイブリットである。」従来のNGOとは一線を画したその活動は、世界の最先端を行っているともいえます。最貧国だったからこそ、誕生した新しい経済システムを見学されてはいかがでしょうか。
(参考) BRACホームページ http://www.brac.net/